4Pって聞いたことありますか?
変な事考えてはいけませんよ。
※P=プレイではありません。
ビジネス戦略の型の一つです。
マーケティングを勉強し始めると、まず出てくる言葉のひとつが「4P」です。
「4つのP?なんだかよくわからないし、自分には関係なさそう…」と思う方も多いかもしれません。
でも、実はこの4P、私たちが日常で目にしているあらゆるビジネスや商品、サービスに深く関係している、マーケティングの“超・基本”なんです。
たとえば、
あなたがコンビニで買ったおにぎり。
ネットでポチッと注文したTシャツ。
カフェでふと頼んだラテ。
これらすべてに「4P」がしっかり使われているんです。
そもそも「マーケティング」って何?
そもそもマーケティングってなんでしょうか?よく「売るための技術」と言われますが、もう少し本質的に言えば、
「お客さんが【欲しい!】と思う商品やサービスをつくり、それをスムーズに届けて買ってもらう仕組みづくり」
とも言えます。
つまり、マーケティングは“売る”ことだけでなく、“どうやって欲しがってもらうか”を設計する考え方なんです。
そして、その仕組みを設計するのに欠かせないのが「4P」なんです。
4Pとは何か?
4Pとは、以下の4つの英単語の頭文字をとった言葉です。
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Product(製品・サービス)
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Price(価格)
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Place(流通・販売場所)
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Promotion(販促・宣伝)
これらのPをバランスよく、かつ効果的に組み合わせることで、「売れる仕組み」が完成します。
4Pの例:スターバックスで考えてみよう
たとえば、みんな大好きスターバックスで考えてみましょう。
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Product(製品):こだわりの豆を使ったコーヒー、季節限定のフラペチーノ、居心地のよい空間など。
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Price(価格):コンビニより高いけど「高くても納得できる価格帯」。
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Place(場所):駅前、オフィス街、大学近くなど、ターゲットに合った立地。
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Promotion(販促):SNSでの投稿、季節ごとのキャンペーン、店員さんの丁寧な接客もプロモーションの一部!
このように、すべてのPがしっかり連動しているからこそ、「また来たい」と思わせてくれるのです。
一つでも欠けると…?
では、4Pのうち1つでも欠けるとどうなるでしょうか?
たとえば、どんなに素晴らしい商品(Product)でも、
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適切な価格(Price)でなければ売れないし、
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買いやすい場所(Place)になければ手に取ってもらえないし、
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知ってもらうための宣伝(Promotion)がなければ存在すら気づかれません。
まさに、4Pは“車の4つのタイヤ”のようなもの。どれか1つでも欠けていたら、ビジネスは前に進まないのです。
4Pは誰にでも関係ある!
「自分はビジネスをしていないから関係ない」と思っていませんか?
でも実は、SNSで何かを発信したり、フリマアプリでモノを売ったり、趣味の作品をネットで紹介したり——そうしたすべての行動にも、4Pの考え方は活かせるんです。
あなたが何かを「伝えたい」「知ってほしい」「選んでほしい」と思うなら、その裏にある4Pの仕組みを知っておいて損はありません。
これから4Pを深掘りしていきます!
この記事では、まず「4P」の全体像とその重要性をお伝えしました。
次回以降は、それぞれのPを1つずつ取り上げて、初心者でもわかるように、実例や応用も交えて解説していきます。
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Product(商品・サービス)
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Price(価格)
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Place(流通・販売場所)
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Promotion(販促・宣伝)
2. Product(製品・サービス)〜“誰に何を届けるか”の原点
Productは「モノ」だけじゃない
「Product(製品)」というと、パッと思いつくのはおにぎり、スマホ、化粧品などの“モノ”でしょう。
でも実は、Productには「サービス」や「体験」も含まれるんです。
たとえば、
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美容室のヘアカット
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スマホゲームのアプリ内課金
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結婚式のプロデュース
これらも立派なProduct。つまり「お客さんが価値を感じてお金を払う対象」すべてがProductといえます。
「体験」もProductに含まれると考えると、YouTuberの動画コンテンツ、オンライン講座、旅行ツアー、さらにはコンサルティングまで、すべてマーケティングの対象になります。
なぜProductが重要なのか?
Productは4Pの中でも最も中心的な存在です。なぜなら、どんなに価格や宣伝がうまくても、そもそもの「商品そのもの」に魅力がなければ買ってもらえないからです。
たとえば、
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味が微妙なラーメン店は、いくら安くしてもリピートされない
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中身が空っぽのスマホアプリは、いくら広告を打っても継続利用されない
逆に言えば、「良いProductさえ作れれば、売るのは簡単」だとさえ言われます。
Product設計で考える3つの視点
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誰に届けたいのか(ターゲット)
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どんな価値を提供するのか(ベネフィット)
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他と何が違うのか(差別化)
これらは「商品コンセプト」を作るときの土台です。
1. ターゲット(誰に)
「みんなに売りたい」は、実は誰にも響かないことが多いです。
商品は「ある特定の人」をイメージして作った方が魅力的になります。
例:
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30代の働く女性
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子育て中のパパママ
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推し活中のZ世代
ターゲットが明確になることで、言葉の選び方やデザイン、提供方法まで変わってきます。
2. ベネフィット(どんな価値を)
「機能」ではなく「効果」に注目するのがポイントです。
例:
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×:このマットレスは厚み10cmです
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○:このマットレスは腰痛の朝が楽になります
「それを使うとどうなるか?」を想像できると、購買意欲がグッと高まります。
3. 差別化(何が違うのか)
競合が多い中で、どうすれば「選ばれる商品」になれるか?
差別化のポイント:
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デザイン性
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限定性(数量・期間)
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ストーリー(開発秘話など)
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ブランド感や世界観
「他と何が違うの?」に明確に答えられるProductは強いです。
実例1:ダイソンの掃除機
ダイソンの掃除機は、まさにProduct戦略の成功例です。
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高価格でも“吸引力の変わらない”という明確な価値
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他社にはないサイクロン式の技術
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デザイン性もあり、家に置きたくなる見た目
高いけど欲しくなるのは、「技術力」×「デザイン」×「ストーリー」がしっかり設計されているからです。
実例2:無印良品の世界観商品
無印良品は「主張しない美しさ」という独自の価値観で商品を作っています。
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誰に:シンプルな生活を好む人
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価値:どんな部屋にも合い、飽きずに使える
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差別化:デザイン・素材・価格のバランス
“機能”よりも“感じる価値”を大切にしたProductの代表例です。
応用:あなた自身の商品を考えてみよう
もしあなたが、ハンドメイドアクセサリーを作っているとします。
Productを考えるときは、
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どんな人に届けたい?(例:20代女性、推し活中の人)
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どんな価値がある?(例:世界に1つだけのカスタム可能)
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他と何が違う?(例:石の色を推しカラーにできる)
このようにProductを設計することで、ただの“モノ売り”から、“想いを届けるビジネス”に変化します。
よくあるNGなProduct設計
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「自分が売りたいもの」を優先しすぎる
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ターゲットがぼんやりしている
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他と違うポイントが見えない
こうなると、せっかくいいモノでも埋もれてしまいます。
だからこそ、“誰かのため”という目線が大切です。
Productは「誰かのために作る」という意識
Productを考えることは、自分が何を作るかを考えるだけでなく、 「その人にとってどんな価値があるか」を考えること。
あなたの商品やサービスが「誰の、どんな悩みを、どう解決するのか?」を言葉にできれば、すでにマーケティングは半分成功しています。
次項は、そんなProductに対して「いくらで売るか?」を考える「Price(価格)」について、深掘りしていきます。
3. Price(価格)〜“高い・安い”だけじゃない、心を動かす値付けの話
「価格」は単なる数字じゃない
「この商品、ちょっと高いな…でも欲しい!」
「え、安すぎて逆に不安…」
このように、人は価格に対してただ数字を見るだけでなく、そこから「価値」や「信頼感」を感じ取っています。
つまり、価格は“メッセージ”でもあるのです。
価格設定は、単に「利益を出すための手段」ではなく、ブランドの印象や、商品のポジショニング、売れ方そのものを左右する重要な戦略のひとつ。
安ければ売れる…は本当?
「安ければ売れる」は一見正しそうに見えますが、実際にはそれだけでは難しいのが現実です。
例1:高級チョコレート vs スーパーの板チョコ
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板チョコ:100円 → 安い、でも“特別感”は少ない
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高級チョコ:1粒500円 → 高いけど“特別なプレゼント”になる
チョコの原価はさほど変わらなくても、「高い=良いもの」という認識をうまく活用することで、より魅力的に見せられるのです。
価格が与える“心理的な影響”
価格は心理にも大きな影響を与えます。これを「価格心理」と呼び、マーケティングの現場ではよく使われるテクニックがあります。
・お得感を出す「アンカリング効果」
最初に高い価格を見せてから安い価格を提示することで、安く感じさせる手法。
例:
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通常価格 12,000円 → 今だけ 8,800円!
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→ 実際は8,800円が適正価格でも、お得に見える!
・端数価格で“安く感じさせる”
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1,000円 → 980円 にすると、心理的に“安くなった”と感じる(これを「価格の魔法」とも)
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99円、990円などはよく使われる
・無料との組み合わせで価値を高める
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商品A:3,000円
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商品B:2,000円 → 今だけAを買うとBが無料! → Bを単体で売るよりも、セットで“お得に見せる”戦略
価格設定における3つの基本戦略
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コストベース価格:原価に利益を上乗せする
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競合ベース価格:他社との価格比較で設定
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価値ベース価格:お客様が感じる価値に合わせて設定
例:
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コーヒーショップでの価格設定:
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コストベース:原価100円 → 利益100円 → 販売200円
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競合ベース:近隣が350円なら自店は320円で勝負
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価値ベース:こだわりの豆+静かな空間 → 500円でも納得される
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売上=価格 × 数量 なので、「価格を上げる」ことも「数を増やす」ことも、戦略的に考える必要があります。
実例:Apple製品が高くても売れる理由
Appleの製品は、同じスペックの他社製品に比べて明らかに高価格です。それでも売れるのは、
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デザインの美しさ
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直感的な使いやすさ
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ブランドへの信頼
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周辺機器・エコシステムとの連携
つまり、「価格以上の価値」を感じてもらえるからこそ成立しているのです。
応用:あなたの商品に価格をつけるとしたら?
たとえば、あなたが作ったハンドメイドキャンドル。
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原価:材料費500円、梱包100円 → 合計600円
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コストベースで考えるなら → 1,200円(利益2倍)
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競合を見ると → 同じような商品が1,500円前後
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自分のキャンドルには「香り」「色味」「パッケージ」にこだわりがある → 価値ベースで2,000円に設定
その上で、
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初回限定セットで“お得感”を出す
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プレゼント用ラッピングを無料でつける
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数量限定で“希少性”をアピール
など、価格の見せ方にも工夫を加えることで、実際に「高くても売れる」仕組みをつくれます。
よくあるNG価格設定
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原価からしか考えていない
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安くしすぎて利益が出ない
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他と比べて高いけど、価値が伝わっていない
こうした状態では、売れても疲弊するだけ。価格には「利益」「価値」「メッセージ」の3つを意識することが重要です。
「価格」は“あなたの商品を語る言葉”でもある
価格とは単なる数字ではなく、 「この商品にはこれだけの価値があるんですよ」というメッセージでもあります。
あなたのサービスや商品の価格が、「安いから買われた」ではなく「高くても選ばれた」ものになるように。そんな価格設定を目指してみましょう。
次回は、あなたの商品を「どこで・どうやって届けるか?」を考える「Place(流通)」について深掘りしていきます!
4.Place(流通)を最適化する
どこで売るか?が“選ばれる確率”を左右する
どんなに良い商品でも、手に入れる場所が不便だと購入にはつながりません。
「店舗で買えるのか?」「スマホで注文できるのか?」「すぐに届くのか?」
その“流通の体験”そのものが、顧客の満足度を大きく左右します。
最近では、ネットとリアルを組み合わせる「オムニチャネル戦略」も一般的になってきました。
売り場はただの「置き場所」ではなく、「お客さんとの接点」として設計するべきなのです。
実例1
冷凍スイーツを“自販機販売”で全国展開し売上急増
都市部の一等地に出店できない小規模メーカーが、駅や商業施設に冷凍スイーツの自動販売機を設置。
「深夜でも買える」「出勤前にサッと買える」など、24時間対応の強みがSNSで話題に。
都心だけでなく地方展開にも成功し、短期間で販売数が倍増。
→ 顧客のライフスタイルに合った「流通の形」があれば、場所は関係なく売れる。
実例2
ローカル産直品を“ECサイト+道の駅”の組み合わせで販路拡大
地域の農産物を販売するNPOが、「道の駅販売+ネット販売」のハイブリッド戦略を実施。
観光客には現地で手に取れる楽しさを提供し、帰宅後はECサイトでリピート購入が可能に。
「その場での体験」と「あとからの便利さ」の両立により、リピート率が大幅アップ。
→ オフラインとオンラインの接点をつなげることで、継続的な関係づくりに発展。
実例3:町工場が“ふるさと納税サイト”を販路として活用し全国から注文獲得
地元だけでしか知られていなかった手作り包丁を、ふるさと納税サイトに出品。
「地元に行かなくても応援できる」「レビューが参考になる」と購入者が増加。
ブランド認知も全国に広がり、テレビ取材をきっかけに百貨店との提携へ発展。
→ 「買いたい場所」に商品があることで、出会うチャンスは一気に広がる。
問いかけのヒント:
– あなたの商品は、お客さんにとって“どこで買えるのが最も自然”ですか?
– 購入のための導線が、途中で迷子になるような構造になっていませんか?
– 販売チャネルが偏っていないか?顧客の導線に合っているか?
流通とは「置き方」ではなく、「出会わせ方」です。
5. Promotion(販促・宣伝)〜“伝え方ひとつ”で売れ行きが変わる理由
伝えなきゃ、始まらない!
どれだけ素晴らしい商品を作っても、 どれだけ戦略的に価格を決めても、 どれだけ売り場を工夫しても……
お客さんにその存在が伝わらなければ、買ってもらうことはできません。
つまり「Promotion(販促・宣伝)」とは、
商品の魅力を正しく・効果的に伝えるための“架け橋”
のようなものなのです。
Promotionの誤解:広告だけじゃない!
「販促って広告のことでしょ?」と思われがちですが、実際はもっと広い意味を持ちます。
たとえば:
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店頭のポップ
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SNS投稿
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クチコミやレビュー
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メールマガジン
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YouTube動画
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サンプリングや無料体験
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接客や声かけ
これらすべてが、広い意味でのPromotionに含まれます。
有名ブランドがやってる販促の工夫
・スターバックス:
季節限定メニューの告知をSNSで発信し、ユーザーがシェアしたくなるデザインとネーミングで話題化。
・ユニクロ:
TVCMだけでなく、YouTubeやアプリでのタイムセール告知も活用。会員登録を促進する仕掛けが豊富。
・コカ・コーラ:
キャンペーンに名前入りボトルを登場させ、「写真を撮ってSNSに投稿したくなる仕掛け」で拡散。
あなたの商品を広める7つの販促手法
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SNS発信(Instagram/X/TikTokなど)
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ビジュアル映えする商品は特に効果的
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ハッシュタグやストーリーで認知を広げる
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LINE公式アカウント
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セール情報や新商品のお知らせを直接届けられる
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クーポン配布や抽選も人気
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ポップやチラシ
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実店舗では「手に取るきっかけ」になる重要アイテム
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商品のベネフィットをわかりやすく記載
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レビュー・口コミ投稿促進
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実際に買った人の声は、何よりの信頼材料
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「レビューで次回5%オフ」など仕組み化が効果的
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無料体験・試供品配布
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体験してもらえれば、リピーターになりやすい
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動画での紹介
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使用方法、こだわりポイントを“動き”で伝えられる
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YouTubeやリール動画、ライブ配信など
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ストーリーを語る
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「なぜこの商品を作ったのか」
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「どんな人に使ってほしいのか」
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感情に訴えることで“共感”を生みやすい
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応用:販促をデザインする思考法
販促は、「自分が言いたいことを言う」場ではなく、
「お客さんが知りたいこと・感じたいことを、どんな形で伝えるか?」を考えることがポイント。
例:
あなたが「手作りジャム」を販売しているとします。
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SNS投稿だけでなく、「採れたての果物の収穫風景」動画を出す
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ラベルに「おばあちゃん直伝のレシピです」と書く
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試食販売では、パンとの相性を伝える一口サイズで提供
こうした工夫が“商品以上の魅力”を届けてくれるのです。
よくある販促の落とし穴
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1回きりで終わってしまう
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「伝えたいこと」ばかりで「相手の知りたいこと」が抜けている
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SNSだけに頼っている(リアルも使うべき)
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複数の施策がバラバラで一貫性がない
販促こそ、「戦略」×「継続」×「ストーリー」が大切です。
まとめ:Promotionは“伝える”ではなく“届かせる”技術
Promotionとは単なる宣伝ではなく、 「あなたの想い」と「お客さんの心」をつなぐ“翻訳”のようなもの。
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どんな魅力を
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どんな言葉で
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どんな手段で
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誰に届けるのか
これを考えることが、売れるための“最後の一押し”になります。
これで4Pすべてがそろいました! 次回は「4Pをどう組み合わせて実践に落とし込むか?」についてまとめていきましょう。
6. 4Pの組み合わせが「売れる」を生み出す!実践活用ガイド
4Pは“独立した4つ”ではない
ここまで読んで、「4Pの意味はわかった。
でも実際どうやって活かすの?」と感じた方も多いはず。
答えはシンプルです。
4Pは“組み合わせて”こそ、本当の力を発揮します。
まるで料理のレシピのように、材料(4P)をバランスよく使い分けることで、「売れる仕組み」が完成するのです。
たとえば、カフェを開くなら?
想像してみてください。あなたがカフェをオープンすることになったとします。
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Product(商品):自家焙煎のコーヒーと手作りスイーツ
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Price(価格):平均単価700円、ちょっと贅沢な価格設定
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Place(場所):駅から5分の静かな路地裏
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Promotion(販促):インスタで世界観を発信+季節限定メニューで話題づくり
これらをバラバラに考えるのではなく、一貫した「世界観」や「体験」をどう作るか? という視点で4Pを設計することが重要なのです。
4P連携のチェックポイント
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商品と価格のバランスは取れているか?
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販売場所はターゲットと一致しているか?
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宣伝のトーンは商品とズレていないか?
たとえば「高級志向のハンドクリーム」を1本1,500円で販売するなら:
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高級感のあるパッケージ(Product)
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デパートやセレクトショップで販売(Place)
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美容意識の高い30代女性をターゲットにした雑誌広告(Promotion)
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適正価格で“自分へのご褒美”と感じてもらえる価格帯(Price)
すべてがズレなく噛み合っているからこそ、「これ、私にぴったり」と感じてもらえるのです。
実例:無印良品の4P戦略
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Product:無駄を削ぎ落としたシンプルなデザイン
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Price:安すぎず高すぎない絶妙な価格設定
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Place:街中・商業施設・ネットショップと幅広い展開
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Promotion:過度な広告はせず、ストーリー性や世界観重視
4Pが「同じ方向」を向いているからこそ、ブレないブランドとして長く支持されているのです。
あなたの4Pを作ってみよう!
最後に、ぜひ自分の商品やサービス、または夢のビジネスを想像しながら、4Pを書き出してみましょう。
まずは「Product(商品)」。たとえば「国産素材100%のハンドメイド石けん」のように、どんな商品・サービスなのかを簡潔に書いてみてください。
次に「Price(価格)」。
例としては「1個880円。初めての方向けに、お試し用の500円セットも用意」など、単なる値段ではなく戦略的な価格設定を意識しましょう。
続いて「Place(販売場所)」。
たとえば「BASEの自社サイトで販売し、週末には地元のマルシェにも出店」といったように、商品をどこでどのように届けるかを具体的に考えてみましょう。
そして最後に「Promotion(宣伝方法)」。
例として「Instagramで製造風景をストーリーで紹介し、商品のこだわりを発信」など、お客さんとのつながり方・伝え方を意識してください。
実際に紙やノートに書き出してみることで、自分でも気づいていなかった強みや課題、新しいアイデアが見えてくるかもしれません。
商品開発に活かせる4Pの応用例
ここでは、これから商品やサービスを開発しようとしている方に向けて、4Pをどう使えばよいか、具体的な応用例をいくつか紹介します。
【例1】自宅で作るオリジナルクッキー販売
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Product(商品):保存料を使わず、季節の素材で作った手作りクッキー。見た目もかわいく、プレゼント需要も想定。
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Price(価格):6枚入りで800円。お試しセットは3枚入りで500円に。
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Place(販売場所):minneやCreemaなどのハンドメイドマーケット、地元マルシェでも週末販売。
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Promotion(宣伝):Instagramでクッキーができる過程や、ラッピング例を動画で発信。「おやつ時間がちょっと幸せになる」をテーマに共感を得る。
【例2】シニア向けのスマホ講座サービス
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Product:スマホ初心者のシニア世代向けに、写真の撮り方・LINEの使い方を丁寧に教える90分の対面講座。
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Price:初回1,000円。継続コースは月3,000円で月2回まで参加OK。
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Place:地域の公民館やカフェの一角を借りて実施。オンライン講座も後々導入予定。
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Promotion:地域の掲示板・回覧板・郵便ポスティング・地元FMなど「ネットを使わない層」に向けた告知を展開。
【例3】若年層向けのアクセサリー通販
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Product:トレンド感のある個性的なアクセサリー。推し活・地雷系・韓国っぽなどスタイル別に展開。
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Price:イヤリング1,280円〜。セットでお得なまとめ買いキャンペーンも。
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Place:BASE+Instagramショップ。配送は匿名配送にも対応。
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Promotion:TikTokやInstagramでファッションコーデとセットで紹介し、「つけると世界観が完成する!」という打ち出し方で訴求。
このように、商品を作る前に4Pで設計しておくと、ターゲットやコンセプトがぶれにくくなるのが大きなメリットです。
それでは最後に、これまでの内容をまとめましょう。
「4P思考」はあなたのビジネスの設計図になる
4Pは、単なる“理論”ではありません。
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商品開発のアイデアに悩んだとき
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値段設定で迷ったとき
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どこで売るか困ったとき
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広め方に行き詰まったとき
そんなときに、4Pを地図のように活用してみてください。
「どうすればお客さんにちゃんと届いて、選んでもらえるか?」 この問いに、4Pはきっと答えてくれるはずです。
あなたの挑戦を応援しています!